エンゼルキッズ押切

もえしろ設計を用いた木造二階建ての保育園 園児数:40名

正面外観

2階建てながら、軒高を下げて、子どものスケールに近づけると同時に、まちなみへの圧迫感を軽減しました。

吹き抜けの玄関

北向きですが、吹き抜け形状とすることによって、明るく開放的な玄関となりました。床には黒御影の園章が映えます。

2才児保育室

もえしろ設計による美しい杉の無垢柱が屋根を支えます。中央奥は受け入れコーナーと幼児便所で、間にパススルー方式のよごれもの棚を設え、衛生的に保管できるようにしています。左奥の押し入れ下には、子どもの高さで通風できる、オペレーター制御の地窓を設けました。

階段下のかくれが

階段の踊り場下を利用した畳敷きの小部屋で、天井高さは1.2mです。照明器具は触れても熱くない器具を選定しています。


もえしろ設計を用いた木造二階建ての保育園

0 ~ 3 歳児までを預かる名古屋市独自の方式の保育所です。和の雰囲気を取り入れたデザイン、ステージやベンチにもなる階段、受入コーナー方式のスタイル、保育士自身がこどもの感覚に近づく必要があるという考えを形にしたかくれがコーナー、心が不安定になったこどもたちが落ち着ける小部屋、プラスチックではない本物の石や木といった材料を使うこと等、これまで学園が培ってきた「学校法人が考える保育所」を継承し具現化しました。もえしろ設計を用いた構造を採用し、木造2 階建て準耐火建築物の園舎としたのも、耐火建築物で陥りがちな「施設」的な場ではなく、「おうち」に近い「暮らしの場」を提供するという学園が実践してきたスタイルのひとつです。存在感のある美しい木肌の独立柱は、21cm 角の杉の無垢材です。手洗いは既製品を用いず、低年齢児の体型に合わせた寸法でステンレスで製作したり、VOC やウイルスを分解する性質としっとりとした質感を併せ持つ漆喰壁紙の使用、こどもの生活領域である床面付近の通風を行う地窓を設けること、上階の音を遮る遮音床工法の採用など、上質な暮らしを実現するための工夫で満たされた園舎です。


名称  :学校法人森友学園 エンゼルキッズ押切

工事種別:新築

建築場所:愛知県名古屋市

延床面積:314.67㎡

構造規模:木造 地上2階

園児数 :40名

掲載  :『建築ジャーナル』 2014年12月号第1231号(こども施設特集)