ニコニコ桜夙水園

木造住宅を保育園に転用 園児数:30名

和室の保育室

6畳と8畳の続き間の和室をそのまま保育室に転用しました。竿縁天井や木彫りの欄間、襖、障子などが日常生活に溶け込みます。和に限らず、あらゆる建築がニセモノでかためられる均質化の時代に、子どもたちに本物の生活空間を提供するのは困難です。でも保育所だけは、できるだけそうありたいと考えています。

玄関

玄関ホールは、土間をかさ上げして段差をなくし、下駄箱を増設しただけで、元の形態を活かしています。

そのまま活かした外観

外観はそっくりそのまま活かし、福祉のまちづくり条例に対応するため、門から玄関への斜路を新設しました。


木造住宅を保育園に転用

市に寄付された木造平屋の住宅を改修し、用途変更を行いました。当初の確認申請と整合していない部分や、福祉のまちづくり条例への適合、建築基準法適合などで、いくつかの改修をおこないました。中廊下の間取りでしたが廊下幅が広くとられていたため、建築基準法に絡んでの大きな間取り変更は実施せずに済みました。縁側も含めれば一斉保育が十分可能です。集団生活の意識が高いのか、効率を求めてのことなのか、日本の保育所は大規模施設化しがちですが、子どもたちの生活の場であるということを省みれば、保育所が住宅的な規模や設えで整備される方が自然であることに気づきます。


名称  :社会福祉法人長陽会 ニコニコ桜夙水園

工事種別:改修(用途変更)

建築場所:兵庫県西宮市

延床面積:191.81㎡

構造規模:木造 地上1階

園児数 :30名