みらくるちっぷ

あつまれキセキのかけら

とおりにわ

玄関から中庭まで続く通り庭で、土足のまま通り抜けられます。子どもたちは、・・・はだしで歩いたりもしてますね。ユニバーサルキッチンを付属させてクッキングが手軽に楽しめます。

おおきなおへや

配感覚統合遊具をぶら下げる鋼製のフックを天井に設けました。床は、クッション機能を付与したフローリングを敷きました。

かくれがから見る

低い押し入れの上を、かくれがコーナーとして利用しています。床にいる子どもたちとは目線が切れつつも、竪格子の間からお部屋をのぞけます。つかず離れずの適度な距離が安心感につながります。

中庭

母屋とはなれ、そして隣家と、四方が壁に囲まれた中庭です。抜けのない空間なので鬱陶しいかと思いきや、明るくてとても落ち着く室内のような外部空間になりました。玄関からは、通り庭を抜けて土足のまま出入りすることができます。


あつまれキセキのかけら

低層木造密集地の旗竿敷地に、1 階を児童デイサービス、2 階をグループホームとし、事業主のたっての希望で、燃えしろ設計を用いた木造準耐火建築物として合築しました。敷地は四周を隣家に囲まれ、閉塞感があったので、玄関の延長を「とおりにわ」として「ひかりの中庭」と連続させて抜けをつくりました。また、木造の弱点である遮音性を補うため、2階床と1 階天井裏を、強化石膏ボードなどを用いた遮音構造床としたほか、建物の色数を減らす、換気扇の擦過音対策、案内手すり、床の衝撃吸収、「かくれが」空間、多様な触感の床材、感覚統合遊具の懸架、離れの小部屋、空間の明暗、場の高低、素材の硬軟など、さまざまな個性を持つこどもたちに快適に使ってもらえるよう工夫しました。こどもたちは、私たちの期待通りの使い方と同時に、私たちの期待以上の使い方もしてくれています。安全、効率、コスト、機能など、有限性の総合体である建築が、彼らの無限性にどこまで寄り添えるのか。無限の成長を、有限がどこまで応援できるのか。大人たちの思いが込められた建物は、「みらくるちっぷ」と名付けられました。「ちっぷ」とは韓国語で「家」。奇跡のかけらたちと、奇跡を忘れたことのない大人たちが集まる家です。


名称  :特定非営利活動法人出発のなかまの会 子どもゆうゆう広場みらくるちっぷ

工事種別:新築

建築場所:大阪府大阪市

延床面積:309.76㎡のうち143.93㎡

構造規模:木造 地上2階の1階部分

園児数 :-

掲載  :『建築ジャーナル』 2017年12月号第1273号(こども施設特集)