お玄関を考える

使い勝手のよい設えを

傘掛パイプ

 傘立は、設計で忘れがちなものの一つです。備品で対応すれば、晴雨に限らず場所をとるものですよね。狭い玄関先がますます狭くなると思えば、その収納場所も必要に。そこで、建物に直接ステンレスパイプを取り付ければ、省スペースで、しかも玄関先がカラフルで楽しく演出できちゃいます。

コート掛

意外に場所をとるのが、冬季のコート。下駄箱などと一緒に玄関にまとめれば、室内がすっきりします。小規模な保育園では、受入コーナーと玄関ホールを一体化すれば、おうちの方の朝の支度もスムーズですし、限られたスペースを有効に使えます。

ベンチ下駄箱

自分で履きたい。でもたっちでは履けない。腰をかけて靴を履くための上がり框は、過剰なバリアフリー指導で、段差が設けにくくなっています。それならと、ベンチや荷物置きとして使える1段下駄箱をつくりました。

足洗いスロープ

玄関には、バリアフリーの指導により、地面と床をつなぐ斜路を設けることが多いですね。車いすの車輪も、子どもたちの足も、汚れていれば洗ってから上がります。足洗い場と斜路を合体させて、省スペース化した事例です。

おなまえシール

年度末のお名前シールの貼り替えは、目が眩みそうな枚数ですよね。下駄箱などの、シール貼付部分だけ、アルミやステンレスにして、張り替えや糊残りの除去を楽にする工夫です。曲面の材料を使えば、鋭利な金属角で指を痛める心配もありませんし、雨水での家具の劣化も軽減されます。

門まで屋根を

雨の日の送迎。背中にリュック、右手に鞄、左手に傘、子どもはだっこ紐、布団はもう一往復。あれ、門を開ける手が足りない・・・。門の外までひさしがあれば、少しでも雨にぬれずに送迎ができる、ちょっとした配慮です。

屋根つき自転車置場

建物の下に自転車置き場を設けると、照明がつけやすいので、雨もしのげて明るい自転車置場にできます。特に夕刻のお迎えは、明るいほうが安全ですね。

自動ドア

保育園では、タブーとされることの多い自動ドアですが、ベビーカーに乗せての登園が多い場合は、とても出入りが楽になります。特に、未満児保育所などで効果を発揮しますね。開閉装置は、外からは赤外線の反応式、内からはボタン式にすれば、園児の安全が確保できます。


お玄関を考える

園の顔ですから、立派な材料でゴージャスにつくるのもいいんですけど、それ以上に使い勝手の良いものにしたい場所ですね。大きなコストを掛けずに、小さな工夫で使いやすくするポイントを集めました。それぞれの園さまのこだわりが見えてきます。