森之宮保育園

居場所の保障 園児数:154名

4,5歳の縦割り以上児保育室

床はフローリング、壁はビニルクロス、天井は穴あき石膏ボード。エアコンや照明も含め、安価な材料で豊かな空間を追求した保育室です。

外観

豆腐のような素っ気ない高層住宅が並ぶ団地内で、切妻屋根と暖色の壁を組み合わせて親しみやすい外観を演出しました。

事務室の隣にある、ホワイトルーム

床、壁、天井を白い材料で仕上げて、3色のLEDを組み合わせたRGB照明のダウンライトを使用すると、さまざまな光色で部屋の色を変えることができます。照明器具がわずか数千円高い。それだけでできる設えです。


居場所の保障

ロフト、かくれが、ホワイトルーム、フリースペース、キッズキッチンなど、児童福祉施設最低基準にない室名が並びます。同基準が施行されて70年。子ども主体の保育を思うとき、子どもたちが暮らしの居場所を自由に選べるということが、当たり前になっていないと感じます。十一時間保育が常態化している子どもたちの生活の中で、居場所の主体的選択の保障は、保育建築に与えられた重要な役割だといえます。ここ森之宮保育園では、子どもたちに異なった設えの複数の居場所が提供され、多様性豊かな保育が展開されています。

その一方で、保育者の労働環境もまた、重要です。保育士工房、フレキシブルに分割できる個室群、調理室の乳幼児分離、オープン型事務室、子ども便所から独立した大人便所、更衣室の男女分離など、管理諸室にも工夫を加えました。奇を衒わず、それでいて豊かな空間を目指す、当たり前の園舎設計を追求しました。


名称:社会福祉法人みおつくし福祉会 森之宮保育園

工事種別:新築

建築場所:大阪市城東区

延床面積:1178.94㎡

構造・規模:鉄骨造地上3階

園児数:154名

掲載:月刊『近代建築』2022年8月号(特集:保育建築の計画と設計)